2019.02.16当たり前のこと
内では大企業や他所さんがやらない、ちょっと手間が掛かる事をいつもしています。それは昔からの当たり前の事なので、伝統文化製品は皆さんそうされているんだと想います。
しかし造るだけで終わるのではなく、食道具・庖丁の本来の在り方や良さ、向き合い方などを常に発信し続けています。
これからの日本には大切な事ではないかと想い、先を視ながら前に進んでいるつもりです。
すると見てくれている方がおられるので、まだまだ日本は捨てたもんじゃないですよ~
内では大企業や他所さんがやらない、ちょっと手間が掛かる事をいつもしています。それは昔からの当たり前の事なので、伝統文化製品は皆さんそうされているんだと想います。
しかし造るだけで終わるのではなく、食道具・庖丁の本来の在り方や良さ、向き合い方などを常に発信し続けています。
これからの日本には大切な事ではないかと想い、先を視ながら前に進んでいるつもりです。
すると見てくれている方がおられるので、まだまだ日本は捨てたもんじゃないですよ~
先般、2月2日(土)ホールフードの日に東京校ホールフードスクールにて入門庖丁講座を開催させて頂きました。
ホールフードは、食物を無駄なく活かして頂く一物全体食です。食材を痛めつけるのではなく、活かして頂くと食材の生命を大切にすることに繋がり、生産者さんをも大事に思うことに繋がります。
ここでもやっぱり端正な切れる庖丁が必須です!
食材にも人にも易しい庖丁と、庖丁への向き合い方をお伝えしてきました。
職人は料理人に限らず道具を大事にします。洋食のシェフや中華料理の職人さんもプロの方は道具や庖丁を大切にします。武士の魂が刀とすれば、庖丁は料理人の魂です。
今も生きるプロの世界では「道具調べ」が在ります。
大工さんが良い例ですが、持っている道具を見れば、その職人さんがどのくらいの仕事が出来るかが判ると云うことです。道具が正確に調整されていなければ正しい仕事が出来る訳がありません。ロクな仕事が出来るはずがないと云うことですね。
料理人の場合も同様のことで、自分が優れた腕の職人であるかを示すには庖丁を見て貰うのが良いでしょう。現在でもこのような気風が残っていますので、料理人は自分の身体の一部である自身の庖丁を大切にして、誇りにされてます。
道具とは、沢山持っていても良いものではなく、食道具・庖丁は、どんなに高級高価な庖丁を持っていても自身で研げて、正しく調整できてなければ切れないし、正しい仕事は出来ませんし、効率が悪いです。
極端な話ですが、お刺身を造る時は刺身庖丁が適していますが、正しく研げていない不潔でサビた刺身庖丁よりも、きちんと研がれた諸刃の牛刀の方が良いと云うことになります。
料理人さんは「庖丁する」と云われますが、「庖」の字からも解るように単に切ると云うだけでなく、「食材を包み込むように活かし切る」と云うことです。勿論、熟練の技術も必要ですが、端正な道具で食材そのものの持つ特質をうまく利用して庖丁の技術を生かす。これが、食の美、用の美と云えるでしょう。
あなたの家では、どんな庖丁をお使いですか?近所で買ったもの、注文して取り寄せたもの、、、毎日使うものなのにあまり心寄せられない道具の筆頭とも云えるのではないでしょうか?端正な庖丁を選んで使えば、お料理の腕は今までより格段に上がります。
始めて納得した庖丁を買う時は、何を買えば良いのですか?とよく質問を受けます。そんな方の為に基本的なポイントをお伝えします。
庖丁を何も持っておられない人が買い揃えるのは、先ずは三徳庖丁が良いです。三徳の三は肉・魚・野菜の三で、冷凍品や骨などの硬い食品以外なら万能に幅広く使えるタイプです。刃渡りは18センチ前後が使いやすいです。もろ刃造りですので、右利き・左利きどちらの方でも使うことが出来ます。
次に細かい作業や野菜や果物の皮をむいたり、飾り切りなどに便利なペティナイフ。ペティは12センチ~15センチ前後の小さなナイフ全般を云います。ペティナイフも、もろ刃造りです。
3挺目は個々の料理内容にもよりますが、魚や鶏などをさばかれる場合は出刃庖丁5,5寸。代表的な和庖丁で刃が厚く片方だけに角度が造られ、魚をおろす時に刃が骨に密着して身を切り離しやすい造りになっています。また骨付き肉の関節をたたくといった硬いものを切るのにも適しています。出刃庖丁は、片刃造りですので、右利き・左利き用に分かれます。
この計3挺があれば、普段の家庭料理の殆どをカバーすることが出来ます。
庖丁の重さは好みによって個人差はありますが、一般的に適度な重みがあって手元に重心があるものが疲れにくく、手に馴染み重さが助けてくれます。
素材はサビに強いと云うことで家庭用ではステンレス製が多く出回っておりますが、ハガネ製が切れ味と持続力が長く持ちます。竹上では、どちらもの素材の良い点を生かして、切る刃先きはハガネ、周りはステンレスと切れ味と使い勝手を併せ持った庖丁を、家庭用洋庖丁のみ造っております。
以上、基本的な説明です。庖丁なんでも相談を随時しておりますので、更に詳しい内容はお気軽に仰って下さい。
「弘法は筆を選ばず、、、」と云う諺がありますが、一説によると本当は良い文章を書く為には端正な筆を選ぶべきであると云われています。
美味しい料理を造るには、切れ味の良い庖丁が必要で、優れた料理人は庖丁を選びます。日本人は古から日本刀の歴史があり、切れ味感覚が高度で庖丁に繊細です。
しかし昨今、庖丁に対する感覚が薄れてきており、ただ刃先きを薄くすれば切れると思われている人が多いようです。
切れ味は料理の仕上がりに反映し、切れ味で味が変わり、板場さんやシェフなどプロの料理人は、料理の基本は庖丁と云われます。
庖丁は食の道具の必須です。木製のまな板の上で食材具材を活かし切っている音で、この庖丁は切れているか、いないかが判断できます。よく切れている庖丁はサクッサクッと響きが伝わってきます。これは鍛えられ適度な重みのある庖丁の音色です。
庖丁を消費者に送り出す我々庖丁専門ショップは、庖丁の切れ具合だけを説明するのではなく、庖丁の選び方、庖丁への向き合い方、庖丁の研ぎ方までも充分にお伝えし、これからも庖丁についての基本的な知識を発信していきたいと想っております。それが庖丁コーディネータの役目であり、ヒトモノコトの好循環になると信じております。
これからも世の食生活が豊かに、ゆとりあるものに。