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2018.12.15道具調べ

職人は料理人に限らず道具を大事にします。洋食のシェフや中華料理の職人さんもプロの方は道具や庖丁を大切にします。武士の魂が刀とすれば、庖丁は料理人の魂です。

今も生きるプロの世界では「道具調べ」が在ります。

大工さんが良い例ですが、持っている道具を見れば、その職人さんがどのくらいの仕事が出来るかが判ると云うことです。道具が正確に調整されていなければ正しい仕事が出来る訳がありません。ロクな仕事が出来るはずがないと云うことですね。

料理人の場合も同様のことで、自分が優れた腕の職人であるかを示すには庖丁を見て貰うのが良いでしょう。現在でもこのような気風が残っていますので、料理人は自分の身体の一部である自身の庖丁を大切にして、誇りにされてます。

道具とは、沢山持っていても良いものではなく、食道具・庖丁は、どんなに高級高価な庖丁を持っていても自身で研げて、正しく調整できてなければ切れないし、正しい仕事は出来ませんし、効率が悪いです。

極端な話ですが、お刺身を造る時は刺身庖丁が適していますが、正しく研げていない不潔でサビた刺身庖丁よりも、きちんと研がれた諸刃の牛刀の方が良いと云うことになります。

料理人さんは「庖丁する」と云われますが、「庖」の字からも解るように単に切ると云うだけでなく、「食材を包み込むように活かし切る」と云うことです。勿論、熟練の技術も必要ですが、端正な道具で食材そのものの持つ特質をうまく利用して庖丁の技術を生かす。これが、食の美、用の美と云えるでしょう。

 

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